単体の創作物で人生は変わるのか
単体では、視界が広がるだけで、人生は変わらない気がする。全然知らなかったジャンルの創作物に偶然ぶつかり、そのジャンルにどっぷり浸かってしまうということなのだろうか。
でもそういった出来事というのはおよそ幼少期に起こるものである。幼少期というのは今後の人生が確定的には程遠い状態であるので、そもそもその時〈なにかしら〉に出会わなかったとしても、その後に出会った時には強く惹かれたのではないかと思う。
一生、外に出ず、インターネットも開かない人生を送る人間は知らないが(そもそもそんな人間はいるのだろうか)、人は、生まれたときから強く惹かれるものというのが運命的に決定付けられているのかもしれないな、なんて思う。
だから、〈人生を変えてくれた何か〉というのは〈Aに進むべき人生がBに進むようになった〉というわけではない。きっと、形の定まらなかった〈自分〉というものを形付けてくれたということなのだろう。
〈人生を変える創作物〉というのは、つまり、本来あるべき自分、いたい自分というものに"戻してくれる"創作物のことなのだろう。
まあ、そうありたい自分に戻ったというのも1つの変化ではあるから、人生が変わったというのも正しくはあるか。
リリィシュシュとか夢中夢とかmatryoshkaとかWEGとか倉橋由美子とかスーザン・ソンタグとか、彼らの創作物には、人生を変えるだけの力はあるだろうなあとは思うけど、自分の場合はじわじわと色んな物を摂取しながら変わっていったと思う。だから、"これ"によって人生を変えられた、というよりは、"こいつら"によって人生を変えられたと言いたいな。いや、戻された、か。
まあなんでこんな話をするかというと昨日一緒に飲んでいた連れが
「この曲に人生を変えられたからな」
という言葉を吐いたからだ。その曲がこれ。
その時にバーのマスターがかけたCDというのはEverything Everythingというアルバムで、CDもライブ音源だったので。上と全く一緒のはず。
AppleMusicにあったからずっと聞いてる
その時の俺はーつまりバーでこれを聞いた時ートレインスポッティングで使われてて聞き覚えがあったことと、他の客がべろべろだったことと、曲があまりに好みすぎたことが重なって場末のバーで叫び続けてしまった。実際に酔っていない今聞いてもとてつもない高揚感に襲われる。
連れはこの曲に人生を変えられたらしい。少年は当時まだ幼かったらしい。ある程度は音楽を聞いてきた25歳の青年が聞いても感動するのだ。少年の感動は計り知れないだろう。
あまり、他人のことをブログに書きたくはないのだが、彼は、Underworldのような電子音楽が好きでありつつも幅広くわりとジャンルレスに聞くので、人生を変えられたというのは、音楽にハマったという意味なのだろうな。
そういえば、隣の席に座っていた人がバンドやってた。嫌いじゃない。
いい音楽と聞かなきゃいけないものが多すぎる〜〜〜
読まなきゃいけねい論文もたくさんあるのだけれど。