読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

あくつけき

日記みたいな

「あんたなんて大っ嫌い!!(嘘、本当は愛してるの)」〜かの"帝国"は本当に崩壊したのか?〜

敬愛してやまないバンドにきのこ帝国があがる。簡単に説明してやれば日本のシューゲイザーバンドの一つである。近年メジャーデビューもしちゃったからロキノンに興味ある人は、「ああ、きのこ帝国ね。知ってる知ってる」なんて返信が返ってくるくらいには一定の地位を得ている。

 

ただ、メジャーなんてそうそうできるものではない。イキった高校生はすぐにバンドを始めるし、大学生になれば"イキってなくても"なんとなくでバンドを始める。腐るほどくだらないバンドがいる中でメジャーデビューができるということは、当然「有象無象とは比べ物にならない何かがあった」ということだ。

 

その何か、きのこ帝国はどういったものであるかというと、やはり特筆すべきは〈シューゲイザー〉〈ポストロック〉といったところだろう。ポストロックに関しては疑問を浮かべる人もいるだろうが、ライブの入場曲にmouse on the keysを使っていたことから、"バンドとしての意識"にあるのは確実だ。

www.youtube.com

 

きのこ帝国がロキノン業界で徐々に当確を現し、サブカル人間に対して衝撃を生み出した当時は、ロキノンに〈シューゲイザー〉とか〈ポストロック〉といったものがあまり流布していなかった。そのため、

 

「今の日本の音楽はクソ!同じようなのばかりで特徴もない。KEYTALKもKANA-BOONもデビューした瞬間踊りやすいものばかりになってしまった。リスナーは音楽を聞くことよりもライブに行くことそれ自体に楽しみを見出してしまっている。もうほんっとクソ!」

 

なあんて言ってた人達は2012年リリースの『渦になる』を聞いて、

 

「しっかりとしたシューゲイザーサウンドを鳴らしつつも、日本人が好んでやまない"歌モノ"としての特徴を見事なまでに調和させている…!!??やめろ!!俺らの本国の音楽をもっと聞いてみたいな、なんて感情を揺り起こすな!うわー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!洋楽はいい!邦楽エレクトロニカシーンもいい!!最高だ!!!!!だからこそロキノンはクソ!!俺はこう言ってのけて悦に浸りたかった!!!でも、この『渦になる』なんて最高じゃアねえええのよおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!いつか殺した!!本国の音楽を心から楽しみたいといった感情が!!渦になって押し寄せてくるうううううおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」

 

なんて感想があちらこちらから聞こえたものだ(大嘘)

www.youtube.com

 

2013年の『eureka』やEP『ロング・グッドバイ』も最高だった。

「あいつをーどうやって殺してやろうか」なんて過激な歌詞から始まる「春と修羅」が象徴しているように二つのアルバムは〈焦燥感〉とか〈怒り〉とか〈愛執〉とか〈哀愁〉これでもかと漂うアルバムなのだ。文章にしてしまえば「えーそんなくらいの聞くとか無理ー」とか思ってしまうが、ところがどっこいとても心地よく聞こえてしまう。それは佐藤千亜妃の声質がアンニュイながらも何処か優しく、切ないからでもあるだろうが、元々のシューゲイザーという曲の種類が、佐藤千亜妃を際立たせながらも打ち消しているからだろう。元々シューゲイザーを聞く人間はポストロックとかエレクトロニカとかを好んで聞くはずなので音声としての「声」は聞いても「歌詞」を聞かない。耳に強く作用するのはどぎつい歌詞ではない、色んな感情を携えた、ただただ美しい「曲」だ。

 

でも結局きのこ帝国は歌モノのバンドなんだよなーなんか不思議。歌モノなのに、まるっと曲に集中しながら、でも歌声を聞いてしまう…

今朝はちょうどジョジョ四部を見たんだけど、〈空気〉と〈爆弾〉くらい相性がいいのかな。

 

www.youtube.com

www.youtube.com

 

 

 

 

 

【「え?なんか雰囲気変わった?」「そう?前からこんな感じだよ」】

 

しかし、そういったきのこ帝国が好きだった人達というのは、このバンドに大きな失望を抱えることとなる。2014年『フェイクワールドワンダーランド』だ。

www.youtube.com

 

「え?ちょっと待ってお洒落すぎでは??そりゃさ、聞きやすくはなったけど、シティポップはあなたたちに求めていなかったんだけど」

なんて感想が一番多かったように思う(大嘘)

でも俺がこれを感じたのは事実。『フェイクワールドワンダーランド』はフルアルバムだったため「ヴァージン・スーサイド」とか「あるゆえ」とか「疾走」とか、それまでのきのこ帝国を象徴するような曲も見られたのだけど、やはり「クロノスタシス」「You outside my window」とかシティポップ感が強まったのは否めない。いや、下の二曲もノイズがあったり、"きのこ帝国らしい音"が随所に見られたために、完全につまらないバンドになってしまったな、といった感想は抱かなかったのだけど、やはり不信感というのは否めなかった。

 

 

 

【お前のことなんてだいっっっきらいだ!!!!!!!】

 

 

 

そして、彼女たちが「あ、こいつらつまんねー」とリスナーに本格的な勘違いをされてしまうのが、次の『猫とアレルギー』だ。

www.youtube.com

www.youtube.com

 

一曲目と二曲目がこれ。この二曲に対しての感想。

「あーかわいいね、かわいいかわいい。でもかわいいには変えがきくんだよ」

の一点。俺は裏切られた気持ちになってしまったので、そのままこのアルバムに関してはろくに聞きもせず、一切の興味を失った。

後に出たシングルも、まるでピンと来なかった。

 

「「国道スロープ」みたいなかっこいい曲、やらないならあんたら嫌いだ」

 

なんて事を誰かにいったと思う。俺は、失望したのだ。

www.youtube.com

 

 

 

 

【(あいつ…本当に変わっちゃったのかな)】

 

しかし、深い失望や嫌いといった感情は、裏に期待や好きといった感情がないと生まれない。

 

今年、『愛のゆくえ』というアルバムが出た。このアルバムに関してはまだ深く聴き込めているとはいえない。けれど、抱えた感情というのは「あ、悪くない」の一言だった。俺がアレルギー反応を起こしてしまった前作に比べて随分聞きやすい、原点回帰的要素も感じられる。かといって、新しい要素がないかといえばそうでもない…なんだこの既視感…既視感は、と思っていたところで出た一応の結論は

 

「「MOON WALK」のぬるぬるっとしながらもだらだら聞いてしまうこの感じ、どこかで…あ、ぬるぬるしたきのこ帝国…ぬるぬる帝国…ぬるぬる…ゆらゆら………………坂本慎太郎!?」

 

坂本慎太郎まではいかないけれど、どことなく「っぽさ」っていうのを感じてしまったのは事実。「LAST DANCE」はかの名曲「生でおどろう」を意識したか?とまで思ってしまった。しかし、坂本慎太郎はポップスへよった時期がない。「じゃあ、このきのこ帝国に抱える既視感じみた感情は何なのだろう」と俺は『猫とアレルギー』をもう一度聞き返すことにした。

 

 

【35℃】

 

www.youtube.com

 

「あれ…これけっこう聞ける…」終盤にかけては特に気持ちい。それこそ声がいらないと思ってしまうくらいに曲がいい。ああ、俺は勘違いしていただけだったんだ。

 

 

はいもう飽きてきたんで結論。

 

きのこ帝国は崩壊していなかった。多分alternativeにいろいろやりたかっただけ

 

 

はいちゃんちゃん。なんか初期はっちゃけまくってその後いろいろやるって感じ、椎名林檎思い出すな。