あくつけき

日記みたいな

8重人格と11羽のカラス

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何年経っても名曲は名曲のまま

 

 

 

 

 

腕を、肩より上に持ち上げることすら困難に

腕、正確には肘の位置、二の腕の向き。上がらない二の腕。

呆けた頭でただひたすらに煙草を吸い、灰色と言うには白すぎるカーテンを眺め暮らす日々。

3年前と、よく似ている。あの頃も、とても寒かった。あの頃も、とても重かった。

 

3年前の原因が、忘却によって失われた以上、もはや俺に苦しむべき材料など、何も残っては居ないはずなのに、また、繰り返してしまったということは、この、身体を支配するなにか、と言うものは、外部にあるのではなく、自分の中にある、ということなのだろう。

 

なにもできない、明るいのが嫌い、寒い。ごめんなさいごめんなさい、うまれさせられてごめんなさい。多くの犠牲を払って産んだはずがこれでごめんなさい。

怠惰なのは自分だけで、一体誰を責められよう。

 

 

 

フキにしてみれば、こんな風に何ヶ月かに一度、果歩が黙ったまま煙草を吸い続けて朝を迎えてしまうというのは迷惑なことだった。膝を立ててじっと坐りこんでいる果歩から不穏な気配がただようので落ち着かないし、一晩中けむい思いをした挙句、自慢のやわらかい毛や太い尻尾に煙草の匂いがしみついてしまう。はじめのうち、フキも鳴いたりまとわりついたりして抗議したが暖簾に腕おしで、結局、これは雨や雪同様、避けられない災難の一種なのだと覚悟をきめた。黙ってやりすごすしかないのだ。

江國香織『ホリー・ガーデン』(1998 新潮文庫

 

引用打つと多少なりとも元気出るな。なんでだろ。